魂のワークブック

何だろう?私と世界にプレゼントしたいもの♪

 
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両陛下が来られるんやから、
全国に訴えるチャンスや











 
 その後、武庫東(むこひがし)中学校が、文部省推薦のような信じられない学校に変わってしまいました。中学生たちが、自分たちの力で世の中を変えてみせると決意した瞬間、それまで無意味だった勉強が、すべて意味のあるものになったのだと思います。生徒たちは使命感に燃えて猛勉強を始めました。

 いま、日本の学校がうまく作動しません。このことについて、学校が悪い。先生が悪い。親が悪い。みんないろいろ言いますが、実はだれも悪くないことがわかりました。日本の学校が成り立たなくなったのは、世の中があまりにも豊かになり過ぎて、子どもたちが、どんな努力をしてでも獲得したいと思うような崇高な志をもてなくなったからです。

 高い志を持った瞬間から、子供というものは、勉強しろなんて言われなくても、どんどん始めることを知りました。いじめ問題もなくなりました。

 その志が、自分以外のもののためだったら、なおさらです。自分のためだったら、苦しくなったらやめてしまいます。でも自分に救われることを待っているあわれな弱者のためだったら、苦しくなっても頑張りつづけられるのです。

 生徒達は、いろんなところに、必死で手紙を出し始めました。しかし、どこからも、返事はありませんでした。

 当時、兵庫県の森は、大阪の営林局が管轄していました。私がたずねて行って訴えると、誠実そうな感じの係官の方が、

 「動物たちも絶滅すると思いますが、阪神間の水道、実はえらいことになっています。給水制限直前です」

 と言われました。どういうことですかとたずねると、

 「いやあ、奥地の奥地まで、森を開発したり、スギを植えていったりしたでしょう。その度に、川の水位がどんどん目に見えて低下していくんですよ。それで、都市の水源確保のため、奥地へ奥地へとダムを造ってきたんですけど、もう、ダムを造る所、どこにもありません。雨の少ない年が来たら、給水制限を始めますから、覚悟しておいてください」

 と、いわれました。そんな大変なことになっているのなら、新聞に発表してくださいと頼みましたが、その方は黙って下を向いてしまわれました。

 私は、帰り道、

 「動物を滅ぼす森は、人間も滅ぼすんだ」
 と、心の中でつぶやいていました。


 

 
             小冊子 「クマと もりと ひと 」より      つづく
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