魂のワークブック

何だろう?私と世界にプレゼントしたいもの♪

 
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   蝉(せみ)とまり  幹あたらしく  なりにけり

横須賀の実家にある掛け軸です。

時々、朝日俳壇に入選する。父もなかなかのものです。

太平洋戦争のとき、父は部隊長でした。
彼だけが一人残り、父の部隊はガタルカナルに配属され、部下たちは全員玉砕します。
父は
「自分だけが生き残ってしまい、部下たちに申し訳ない・・」
とずいぶん長い間思っていたようです。
それが、
「生きていて良かった」
に変わるときが来ます。

上の句はそのことを詠んだ句ではないそうですが、「変わるとき」以前には詠めない句だと思います。

『庭に出てみると、蝉が飛んできて木にとまった。
何年前だろう?同じ木に蝉がとまったのは・・・
以前、蝉がとまった時の細かった幹は、今では太く成長し、
同じ幹では今も蝉が鳴いている・・・』

それだけの句なのですが、父はその同じ幹を「新しくなった」と表現しました。
木の命の力強い流れ!自分の中にも流れている同じ命!
それを、感じたのだと思います。

「命への肯定的な信頼」を感じる、
何よりも「命」を感じる力強い句です。
父の作品の中で一番好きな句です。





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