魂のワークブック

何だろう?私と世界にプレゼントしたいもの♪

 
 『7つのチャクラ』 より

      キャロライン・メイス  サンマーク出版




 ルースという女性に出会ったのは、メキシコで一週間のワークショップを開いているときだった。ルースは私と同じホテルに滞在していたが、ワークショップに参加していたわけではなかった。関節炎のために車椅子の生活を余儀なくされていて、これほどひどい症状は私も見たことがなかった。

 ある朝、自分にしてはめずらしいほど早起きしたので、私はバルコニーに出てコーヒーを飲みながらその日の講演のまとめをしていた。そのとき、ルースが
ひとりで座り、古いテープレコーダーでクラシック音楽を聴いているのに気がついた。彼女とは前日に会っていたが、その朝はなぜか彼女から目を離すことができなかった。私に背を向けていたので、彼女は気づかないだろうと思った。
私は、重度の障害を抱えた身体をもつ彼女が、それにどう対処しているのだろうと考えていた。動くことができないために、彼女は肥満体にもなっていた。すると、突然彼女がこちらを向き、ほほえむと、こう言ったのだ。

 「私がどうしてこの身体で生きていけるのか不思議に思ってらっしゃるのね」

 私は心の底から仰天したために、言い訳さえ思いつくことができなかった。

 「ルース、そのとうりよ。まさにそう思っていたの」と私は答えた。

 「じゃあこっちにいらっしゃい。お話するわ」

 椅子を引いてそばに行くと、彼女は
 
 「ニューエイジ・ミュージックはお好き?」と聞くのだった。

 私がうなずくと、

 「よかった。お話をするあいだ、このテープをかけましょう」と笑顔になった。

 そして、喜多郎の音楽をBGMで聴きながら、この驚くべき75歳になるユダヤ人の女性は、自分の人生を語ってくれたのだった。




 「私は35歳のときに未亡人になりました。ふたりの娘を抱えて、生計を立てる道もほとんどない状態だったの。だから私は、人をうまく操って、望むものを手に入れることが誰よりも上手な人間になりました。盗みこそしなかったけれど、かなりそれに近いことはやりました。

 上の娘は、22歳になったとき、仏教のコミニュティに入ったの。娘はふたりとも、ニューヨークで伝統的なユダヤ人の家庭に育ったのよ。それが仏教のコミニュティですものね。私のところにやってくるたびに彼女にこう言いました。

 『どうしてこんな仕打ちができるの?お母さんは自分のことを全部あきらめつくしてきたのに、何でこんなことができるの?』って。

 このやりとりを何百回やったかわかりません。するとある日、娘が私を見つめてこう言いました。

 『お母さん、私の服は汚れている?何か汚い部分があるの?私、何か気を悪くさせるようなことをしている?』

 「私は言いました。『あなた何かドラッグをやっているのね。そうよ。ドラッグをやらされたのね』 彼女はこう答えたわ。『ええ、ドラッグをやったことはあるわよ』ってね。そのあと私がなんて言ったと思います?『私にもやらせてちょうだい』って言ったんですよ。そうしたら、彼女は手に入れてきてくれました。LSDをもってきたの。55歳の私がLSDを飲んだのですよ」

 私は思わず椅子から落ちそうになった。LSDをやる彼女の姿はとても想像できなかった。



 「あなたは天使の存在を信じていらっしゃるかしら?」

 「ええ、もちろん」

 「よかった。だって、つぎに私に起きたのがそれだったから。LSDを飲んだ私は、体外離脱を体験しました。自分の身体の上を浮かんでいて、空気より軽かったわ。そして、得もいわれぬ美しい存在と出会ったのだけれど、彼女は自分のことを私の天使だというのですよ。彼女は私に文句を言うのです。

 『ルースよルース、あなたの天使でいるのがどんなに大変なことかわかるかしら?』

 「そんなこと考えたこともなかった、と答えると、私の天使は、『あなたが私の目にどんな姿で映るか見せてあげましょう』と言って、私の分身を見せてくれたのです。ただその分身は、何千という輪ゴムでがちがちに縛られていました。天使が言ったわ。『これが私に映るあなたの姿よ。輪ゴムのひとつがあなたを支配している恐れです。あなたには恐れがあんまりたくさんあるので、私の声なんかとても聞こえないのね。全部私がわかっているから大丈夫、と伝えようとしているのに・・・・・・』

 「そうしたら、こんどは天使がこう言うの。『ここにハサミがあるわ。輪ゴムを全部切って自由になったらどうかしら?』 私はそのとうりにしました。輪ゴムを一本残らず全部切ってしまったのだけれど、一本切るごとに、信じられないようなエネルギーが身体に入ってくるのが感じられたのです。

 『さあ、だいぶ気分が良くなったんじゃない?』天使に声をかけられて、もう空気より軽いみたいだし、こんなに幸せになったのは生まれてはじめてだって言いましたよ。もう笑いが止まらなくなってね。天使はこんどはこう言いました。『さあ、そろそろ自分の身体に戻らなくては。でもその前に、あなたに見せなくてはならないものがあるの』

 「彼女は私の将来の姿を見せてくれたのです。体中に関節炎を患っていました。なぜこの状態に耐えなければならないのか、天使は教えてくれませんでした。とにかく、そうしなければならない、と。
でもこうも言いました。一歩一歩、必ず自分がそばにいるからって。それから彼女は私を私の身体に戻しました」



 「娘に全部話して、それから先、二ヶ月くらいずっとふたりとも笑いが止まりませんでした。この体験以来、娘とは本当に親しくなりました。十年前にこの関節炎の兆候が出たとき、私は思いました。これは障害じゃないわ、歩けたときのほうが、よっぽどひどい障害があったくらい、って。孤独になることや、老後のことをあまりに恐れていたために、いつも娘をそばに置きたいと思っていました。でもあの体験のあとは、もう二度とこわいと思わなくなりました。この身体の症状は、二度と恐れを感じなくてもいいんだと思い出させるためだと考えています。いまは毎日天使に話しかけているし、前よりももっとたくさん笑っていますよ」
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