魂のワークブック

何だろう?私と世界にプレゼントしたいもの♪

 
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 見出しには、

 『 オラ、こんな山嫌だ
 雑木消え腹ぺこ、眠れぬ
 真冬なのに里へ・・・・射殺
 ツキノワグマ環境破壊に悲鳴 』
 


 と、書いてありました。何のことだろうと思いながら記事を読んでみて、私は深い衝撃を受けました。理科教師なのに日本の森や動物が危機に陥っていることなど何も知らなかったのです。

 この新聞記事によりますと、日本の奥山の広大な部分が、戦後の拡大造林という国策によって、緑は緑でもスギとヒノキだけの人工林に変わってしまっていたのです。

 飛行機から見おろすと、今の日本の奥地には延々と緑の山脈が続いています。

 かつて森を消した文明は全て、滅びている。 

 それぐらいは知っていました。しかし、日本列島には、まだこんなに森が残っている。日本文明は当分大丈夫だと思って、私はいつも安心していました。あれが人工林だったとは!

 人工林にする前の日本の奥山の森は、どこも野生鳥獣たちの宝庫だったそうです。クマをはじめとするいろんな種類の動物たちが、ブナやミズナラなどの広葉樹をベースとする自然の森の中で、みんなで暮らしていました。この森には、いろんな木々の、花、葉、実、そして、林床をおおう下草、虫など、四季折々に変化していく食料が豊富にありました。

 ところが近年、自然の森が皆伐され、人間に有用とされる針葉樹のスギやヒノキだけの植林がどんどん行われたため、野生動物たちは、ねぐらとえさ場をなくしてしまいました。

 ねぐらを失ったのは樹洞(うろ)のある巨木が切られたためです。えさ場を失ったのは、スギやヒノキは、葉は苦くて食べられないし、クマなどの動物のえさとなる実もならないからです。

 そのため動物たちは空腹に耐え兼ねて、森から人里へと、次々と飛び出してくるようになったわけです。現在、奥山はからっぽになっています。動物学的にいうと、

 今まで起きなかったこのような異常現象が起こるのは、絶滅の前触れです。 

 しかし、地元の人たちは、反対に、
 『 動物がふえ過ぎて、森からあふれ出てきた 』
 こんなふうに勘違いしてしまわれました。地元の人たちは、農作物を荒らされたりで、悲鳴を上げ始めました。そして狩猟だけでなく有害獣としても、銃やわなで動物たちを次々と駆除し始めたのです。



             小冊子 「クマと もりと ひと 」より      つづく
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